犬の橈尺骨骨折について

橈骨と尺骨とは人でいう腕の部分の骨になります。
若い小型犬・超小型犬ではこの部分の骨折が非常に多く発生します。
骨折する理由は高いところから落ちたなどが一般的ですが、自分でジャンプしただけで骨折したり、転んだだけで骨折したりと、日常生活の中で発生することも珍しくありません。

診断はレントゲン検査によって行われ、治療法は基本的には手術が適応となることが多く、骨を元に近い形に戻してプレートなどのインプラントで固定します。中にはギプスや包帯による治療も選択肢として挙がる事もありますが、合併症が生じることが多いのが現状です。

今回は左橈尺骨を骨折したワンちゃんの紹介になります。

ポメラニアンの橈尺骨骨折の症例

症例は1歳のポメラニアンで洗面台から落ちてびっこをひいているという主訴で来院しました。

レントゲンを撮影したところ、左橈尺骨において骨幹部の単純横骨折が認められました。
骨折による骨の変位も強いことから手術適応とし、プレートによる整復手術を実施致しました。

橈尺骨(腕の骨)に骨折が認められました。

手術では、骨折部位を整復し、ロッキングプレートを使用し、近位に3本・遠位に3本のスクリューを用いて固定しました。

骨折部が綺麗に元通りに整復されています。

手術後すぐに歩けるようになり、元気に退院していきました。

骨折はなるべく早く治療してあげるのがより良い予後に関わります。また、何より本人の負担を減らすことができます。
当院では整形外科手術は専門の先生を招致し、対応しております。

ワンちゃんの歩き方がおかしい、痛そうなどあれば、すぐに病院に診察に来てください。

執筆担当:院長 渦巻浩輔

この記事を書いた人

渦巻浩輔

2013年大学卒業後、埼玉県坂戸市のブン動物病院で4年間の勤務医を務め、犬や猫、エキゾチックアニマルの診療に携わる。2016年からは東京都の小滝橋動物病院グループに勤務し、CTやMRI、心臓外科、脳神経外科を始めとした高度医療施設に身を置き、2019年からは同動物病院グループの市ヶ谷動物医療センターにてセンター長を務める。高度医療に携わりながら地域の中核病院として診療を行なった。2022年11月、東京都板橋区赤塚に成増どうぶつ病院を開院する。日本獣医循環器学会・日本獣医麻酔外科学会・獣医アトピー・アレルギー・免疫学会・日本獣医エキゾチック動物学会所属。特に循環器・呼吸器の診療を専門とし、心臓病についてのセミナー講師も行っている。