猫の胃内異物について

猫が消化吸収できない異物を食べてしまった場合、胃の中で停滞したり、胃の出口で詰まってしまうと、食餌や液体が通過できなくなり嘔吐などの臨床症状が出現します。

診断はレントゲン検査や超音波検査などの画像検査にて行い、治療は手術や内視鏡にて異物を摘出することで回復させてあげることができます。

猫の胃内異物に対して内視鏡を用い摘出した症例

症例は1歳5ヶ月の猫ちゃんで昨晩から10回くらい吐いており、食欲もないとのことで来院しました。

各種検査を行い、腹部超音波検査で胃の出口に異物が詰まっていることが疑われたため、すぐに内視鏡にて摘出を行いました。

内視鏡画像:胃の出口に異物がすっぽり嵌っていました。
内視鏡画像:異物を摘出する瞬間
内視鏡画像:異物摘出後の胃の出口

摘出後、翌日にはとても元気になり、退院していきました。

当院では動物になるべく負担がかからない様に、内視鏡にて異物を摘出することも可能です。
もしも、ワンちゃんネコちゃんが沢山嘔吐している場合は、異物が悪さをしている可能性があるため、なるべく早く病院にご連絡ください。

執筆担当:院長 渦巻浩輔

この記事を書いた人

渦巻浩輔

2013年大学卒業後、埼玉県坂戸市のブン動物病院で4年間の勤務医を務め、犬や猫、エキゾチックアニマルの診療に携わる。2016年からは東京都の小滝橋動物病院グループに勤務し、CTやMRI、心臓外科、脳神経外科を始めとした高度医療施設に身を置き、2019年からは同動物病院グループの市ヶ谷動物医療センターにてセンター長を務める。高度医療に携わりながら地域の中核病院として診療を行なった。2022年11月、東京都板橋区赤塚に成増どうぶつ病院を開院する。日本獣医循環器学会・日本獣医麻酔外科学会・獣医アトピー・アレルギー・免疫学会・日本獣医エキゾチック動物学会所属。特に循環器・呼吸器の診療を専門とし、心臓病についてのセミナー講師も行っている。